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コラム

未来を育む、子どもの「食べる」「話す」「呼吸する」力

今回は、お子さんの成長の根幹を支える「口腔機能」について、歯科医師の立場からお話させていただきます。

「食べる」「話す」「呼吸する」。これらは私たちが生きていく上で欠かせない基本的な機能であり、その発達の基盤は幼少期に形成されます。お口の周りの筋肉や骨格が適切に発達することで、これらの機能はスムーズに、そして効率的に行われるようになります。もし、この時期に何らかの問題が生じると、将来的に様々な影響が出てくる可能性があるのです。

 

なぜ小児の口腔機能が重要なのか?

まず、「食べる」機能の発達は、全身の成長に不可欠な栄養を摂取するために非常に重要です。しっかりと噛んで食べることで、食べ物の消化吸収を助けるだけでなく、顎の骨や筋肉の発達を促し、歯並びにも良い影響を与えます。柔らかいものばかりを与えていると、噛む力が育たず、顎の発達不全や不正咬合のリスクを高める可能性があります。

次に、「話す」機能です。舌や唇、顎の適切な運動は、正しい発音を習得するために不可欠です。口腔周囲の筋肉が十分に発達していないと、滑舌が悪くなったり、特定の音の発音が難しくなったりすることがあります。お子さんの言葉の発達に気になる点があれば、口腔機能の発達も考慮に入れる必要があるかもしれません。

そして、「呼吸する」機能。本来、私たちは鼻で呼吸するのが自然な形です。しかし、鼻炎やアレルギーなどで鼻呼吸がしづらい状態が続くと、口呼吸になりがちです。口呼吸は、口腔内を乾燥させ、細菌の繁殖を招きやすく、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけでなく、睡眠の質の低下や集中力の低下にも繋がる可能性があります。また、舌の位置が下がりやすくなり、顎の成長にも悪影響を及ぼすことも指摘されています。

 

 

家庭でできること、歯科医院でできること

では、お子さんの健やかな口腔機能の発達のために、家庭でできることは何でしょうか?

 

  • バランスの取れた食事: 硬いものや噛み応えのある食材も積極的に取り入れ、しっかりと噛む習慣をつけましょう。
  • 正しい姿勢: 食事中や学習中など、正しい姿勢を保つことは、口腔周囲の筋肉の適切な発達を促します。
  • 鼻呼吸の意識: 鼻呼吸を促すために、鼻詰まりの原因となるアレルギー対策や、適切な湿度管理を心がけましょう。
  • 遊びを通じたトレーニング: 歌を歌ったり、風船を膨らませたり、ストローで物を吸ったりする遊びは、口腔周囲の筋肉を自然に鍛える良い機会になります。

一方、歯科医院では、お子さんの口腔機能の発達状態を専門的な視点から評価し、必要に応じてトレーニングや指導を行うことができます。具体的には、以下のような取り組みが行われています。

  • 口腔機能評価: 噛む力、舌の動き、唇の閉じ方、呼吸の状態などを詳しく検査します。
  • 口腔筋機能療法(MFT: 舌や唇、顔の筋肉を鍛えるためのトレーニングや、正しい舌の位置、飲み込む方法などを指導します。
  • 食育指導: バランスの取れた食事や、適切な食べ方についてのアドバイスを行います。

 

 

未来のために、今できること

お子さんの口腔機能の発達は、将来の健康や生活の質に大きく影響します。小さな頃からの適切なケアと、歯科医院での定期的なチェックを通じて、お子さんの「食べる」「話す」「呼吸する」力をしっかりと育んでいきましょう。もし、お子さんのお口のことで気になることがあれば、遠慮なく歯科医師にご相談ください。私たちと一緒に、お子さんの輝かしい未来をサポートしていきましょう。

このコラムが、お子さんの健やかな成長を願う皆様にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。

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